One Of A Kind

ツイッターには長すぎるつぶやき、感想とか。エンタメ系はなるべくネタバレはしないことを信条にしてます。

”ウォーキングデッド”によって語彙力を失っている話

あのですね。よく言われることですが最近ほんとに身に染みて分かったことが一つあります。

 

人は本当に好きなもの(こと・ひと)の前で語彙力を迷子にしてしまう

 

たとえば私は敬語が死ぬほど苦手なのですが、会社で他部署に依頼メールを書かなくてはいけない時は、「これほんとにわたしが書いたの?」って驚愕のあまり息をするのを忘れるような敬語メールがすらすら書けるし、お嬢さん方は何回断ってもデートに誘ってくる殿方への言い訳付きお断りメールは、居酒屋で「とりあえず生!」っていうより簡単にできちゃいますよね、ね?だって、そこに心はないからねー!気持ちこもってないからねーー!でも人という生き物は本当に好きなものと直面すると言葉を失うんですよ。私は好きな人の前に行くと、いつもの「お前はさんまの隠し子なのかよ!」ってぐらいのマシンガントークは息をひそめて代わりに高倉健が黄色いハンカチで汗を拭きながら「自分、不器用ですから」って言いだしますし、「なんで高橋一生好きなの?」って挨拶みたいに聞かれると(まじ挨拶のように聞かれる、一回その話してる人でもほんとに挨拶みたいに聞いてくる、なぜ?あと「まだ」好きなの?!って言われる。)表面的な答えはすぐ出るのに本当に本当になんでそうなったのかは自分でもわからなくてラビリンスに落ちていって「わから・・・な・・・い・・・」って白目の姫川亜弓みたいになります。

 

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さて、前置きはこれぐらいにして。

高橋一生を好きになるずっと前からずっと大好きで、私の人生に影響を与えたのではないかといっても過言ではないこの作品。

The Walkind Dead(ウォーキングデッド)

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 (日本の公式サイトが私的にダサかったので敢えてリンクは貼りません)

 

このブログでもいつかこの作品について書こう!って言っていたのですがなかなか書き出しても文字が続かなくてなんとなく書かずにいたんですよ。好きすぎて安易に書けなくて。あとネタバレしないで面白さを伝えるのが難しすぎて。

あと、前シーズン(Season 7)が終わった今年の2月からお預け食らってるので(新シーズン:Season 8は10月後半スタート)、そんでもって私高橋一生にギャーギャー言い出したの3月とかなのでうまく乗り替えちゃったって言うかゾンビが私のもとを去ってぽっかり空いた心の穴にイッセイタカハシがあのキラースマイルで無言で入ってきたっていうか…。入ってきたの!!!たぶんゾンビのことは大好きなんだけど、新しい男(=高橋一生)に夢中で考えてる暇なかったと言えばなかった。ごめん。そうだそれが理由だ。全部高橋一生のせい!当たり前じゃんねあの人すごいから。いや嘘嘘嘘嘘嘘!ゾンビも大好き!!!

 

なんて言い訳書いたって、ウォーキングデッドのことがうまく書けるようにはならないわけで。本当に、好きすぎて、語彙力が出てこなかったんです。でもね、どうしても書きたい理由があるの。あと今日金曜日だし。

 

私、ゾンビとか幽霊とかとりあえず一般的に「生きている」と定義できないもの全般的に嫌いだったんですよ。

おばけは今も絶対無理だし、何なら生きてるものだけど昆虫系ほんと無理だし、あとまずい寿司は悪だと思ってる。だから生きてないものが出てくるテレビ映画は見たくないし(XFILESは例外)、テレビで昆虫映ったら即チャンネル変えるし、入ったお寿司屋さんがまずかったら黙って箸を置いて瞑想する。

でもさ、それは、自分が日々おかれる状況がありがたいことに本当に豊かで、多くの選択肢が提供されてるからなんですよ。おばけ出そうなところに近づかなければいいし、昆虫系も都会生活ではそこまで遭遇しないし、お寿司は安いとこはいらなければいい。でも選択肢がなかったら?私が、おばけと虫が大好きそうな深ぁい森の山小屋に住んでたら?そもそもお寿司なんて食べられないしね!

それと同じような感じで考えてください。動画サービスサイトで見たいドラマがない時の絶望感わかりますか?選択肢がない時の絶望感わかりますか?

 

Breaking Bad(ブレイキングバッド)最後まで見ちゃって

breakingbad.jp

 

SUITS(スーツ)も全部見ちゃって、

www.suits-tv.jp

 

見たいドラマが一個もない時の私の姫川亜弓感伝わりますか? (ちなみに上であげた2つも本当に面白いです)

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ウォーキングデッドに出会ったのはそんなときでした。

忘れもしない、あれは金曜、夜中の1時半。

ブレイキングバッドが終わって、アドレナリンが出すぎて全く寝られる気がしなかったんですよ。友達からGame Of Throne(ゲームオブスローン)を見ろって言われたんですけど、あれね、壮大すぎて(=登場人物多すぎ)1話目3回見たからね私。見る→誰が誰だかわからなくて疲れ果てて1話でストップ→友達から「見たか?」→1話見る→以下繰り返しを3回やったからね。

もう4回目めんどくさいな。どうしようかなって思ってたらHuluさんが『姉さん、ウォーキングデッド、おすすめでっせ』って言ってきたんですよ。『え~ゾンビでしょー。私ゾンビとかそういうの、怖いから一人で見れない♥』ってぶりっ子かます私に『お前他に選択肢ないだろこのハゲー!』って言ってきたんですHuluが。もう眠れないしいいや、と思って見たんですよ。べつに嫌ならすぐやめてもう一回SUITSのイケメン弁護士みればいいや、って。

 

・・・人生変わっちゃいましたよ。完全にゾンビ前とゾンビ後ですよ。

 

本当に、出会いってどこにあるかわからないですね。

 

ウォーキングデッドについて詳しく知りたい方は↓を使っていただきたいのですが、

www.google.co.jp

 

Googleを入り口に膨大すぎるデータの樹海から欲しい情報を見つけるのがめんどくさい方のためにものすごいまるっと言えば、まず最初にゾンビがどっかから湧いてきます。そこから、ゾンビから逃げる→ゾンビと戦う→ゾンビから逃げる→ゾンビの来ない安全な場所見つける→ゾンビに襲撃される→ゾンビから逃げる→以下リピート、です。ループ2週目からは、戦う及び逃げるのパートには対ゾンビだけではなく人間ももれなく入ってきます。ちなみにWikipediaは視聴前には見ないほうがいいです!ネタバレの地雷だらけです!

 

ところで、はたしてゾンビ映画は一般的に、そしてウォーキングデッドはどのジャンルに定義されるんでしょうか?ホラー?SF?あ、アクションの時もあるよね?

自分から疑問を呈してなんですが正直どのジャンルでもいいですよね。

 

なんていうか要するに大きく言えばファンタジーなんだと思うんです、私。現時点では。たぶん2017年現在ゾンビの実在は確認されてないから。ゾンビ、空想の世界のものだから。

 

ウォーキングデッド=ファンタジー。

でもこのドラマのすごいところは、他と違うところは、ファンタジーのオブラートに包んで、痛いぐらいにぐりぐりと現実を突きつけてくるんですよ。

ゾンビという(しつこいようですが2017年現在は実在していない)ファンタジーの存在がメインと見せかけて人間という罪深い、けど美しい生き物の現実をめちゃくちゃに突き付けてきます。大切なことなので言い方を変えて2回言いました。テストに出るからねここ。

 

極限状態に置かれた人間がどんな行動をするのかどんな心理状態になるのか生きるとはなんなのかそもそも生きる意味はあるのか?

 

恐怖

希望

生と死

別れ

成長

愛情

友情

喜び

人間関係

集団心理

仲間割れ

ズル

裏切り

・・・

 

これらは全部、生きること、です。

 

そして、ちょっとでも手を抜いたら視聴者がすぐに冷静になっちゃう(ファンタジーだから)この「ゾンビが実在する」世界を、完璧すぎる出演者・脚本・技術そして何より作り手の熱量が支えています。なんていうか、本当に本当に今までなかったすごいものをつくろう、という強い意志が見ていると伝わってくる。アメリカのドラマって映画にできるレベルのハイクオリティなものがごろごろしていて、だから世界中に輸出できる一大産業なんだと思うんですが、その中でもこのドラマは群を抜いていると思います。それがSeason 8まで続いてるんだから本当にすごい。

 

メインで大量に死んでいくのは(いや、もう死んでるんだけど)ゾンビたちなのですが、人間も死んでいきます。物語が始まった時には比較的大きな集団で動いていた人間たち、視聴者もドラマを見ていれば、主役・メインキャスト・名脇役・名もない脇役、とわかってきますよね。で、視聴者はちょっと油断するんですよ。メインキャストは死なないって。だってウォーキングデッドと言えばドル箱ですよ。各人気キャラクターグッズも超人気ですよ。なのに。え!うそでしょ!?って画面の前で思わず叫んでしまうぐらいに、想像してないシーンで想像してない人が想像してないやり方でいなくなったりします。安室奈美恵さんの引退ぐらいの衝撃です。それが毎シーズン。語彙力奪うでしょ?そしてその「死の前での平等」をきちんと描くことがリアリティがあるストーリーに一役買ってると思います。現実世界は出番が多いから死なない、なんてことないですもんね。 

 

ストーリーもすごいんですが、ファンタジーをいかにリアルに見せるか、すべてのシーンがほんとに細かいところまでこだわって制作されてます。たとえば、ゾンビを倒すときにゾンビから出る赤黒い血の飛び方や、匂いまで画面の向こうから伝わってくるようなゾンビの腐った皮膚感、そしてシーズンを重ね時間軸が進むにしたがって、ある意味このドラマの主役であるゾンビはどんどん朽ちていきます。そしてゾンビが朽ち力を失っていくにつれ人間の醜さはどんどんと巨大化していきます。

あと上に貼り付けた画像(姫川じゃない方)、Season 1のものなんですがこれすごくないですか?私はこの画像を最初に見たとき衝撃を受けました。ここはそんなにネタバレにはならないので言うと、ゾンビが大量発生した街から逃げようとしていた大量の車が街から出て行く方面の高速で渋滞を起こしてるんですよ。でもこの車は全部止まっていて、生きている人間は一人もいません。そして1人の男性が街へ入って行く高速を馬で進んで行く。このコントラストはすごいと思いました。ゾンビの発生した世界でゾンビから逃げられた人間と逃げられなかった人間。動と静。生と死。ドラマのあらすじを一枚の写真でこんなにも伝えられるのか!と。対比がすごい。そしてまた、役者ありきの日本のドラマの広告とまるで違うな、とも思いました。アメリカドラマは何よりもストーリーありきなんですね。キャストはそのストーリーをきちんと伝えられる実力があることが重要で知名度は最優先事項ではない。だから馬に乗る男性の顔で視聴者を引きつける必要はないんですよ。

 

このファンタジーとリアリティの神がかったバランス、そしてそれを支える最高の能力と熱意を持った人たちに、ウォーキングデッドは作られ、毎シーズン進むんですよ。

1シーズンでも見た人がいたらもういくらでも細かいところについて語り合いたい。でも見てない人にはネタばらししたくない。見て欲しいから。だからやっぱりこれぐらいしかかけない。語彙力ないから。新入社員面接での学生にありがちな熱意しかなくて申し訳ないが、見てほしい!本当に見てほしい!!私はSeason 1からSeason 6まで一気に見たのですがウォーキングデッドの世界に入り込みすぎてしまい、普通の人には見えないもの(見えちゃいけないもの)が見えてしまう、要するに霊感強い友人に「ねえ、大丈夫。なんか。。。なんかあなた今やばいよ?」と心配されるレベルにまでウォーキングデッドに入り込みました。

 

所詮はテレビドラマのはずなのに、エンターテイメント作品のはずなのに、人間というもの、そして人間として生きるということを考えさせられます。自分はあくまでも画面のこちら側にいるはずなのに気がつくとゾンビがいるファンタジーの世界で生きることに必死になっています。

 

ファンタジーの中の現実を通して、生きていることにただただ感謝したくなります。

平凡な日常は前兆なく一瞬で壊れる危うさと常に隣り合わせということ。

自分が今おかれる状況がとてつもなく恵まれているのだという実感。

 

ゾンビとかスプラッターとかが本当にだめ!っていう人には確かに難しいかもしれない(意外と私の周りにはそう言うのは男性に多い)ですが、そうでなかったら、HuluとかNetflixとかAmazon videoとか他にもほとんどの動画視聴サービスで見れるので、見てみてほしいです。

 

ちなみに、わたしが書きたいけど書けなーいと思っていたこのブログを今日どうしても書きたかったかというと、

こちらも好きという言葉では定義できなくなってきてしまっている高橋一生氏が、とある雑誌のインタビューで「ウォーキングデッドが大好きです」って作品名を出しているのを立ち読みしたからです(うれしすぎてその雑誌はきちんと購入しました)。

本屋で本当に泣きそうでした。吐きそうでした。

 

自分が好きな人が自分が好きなドラマを大好きといっている、そしてどちらも好きって単語じゃ片づけられないぐらい自分に影響を与えているその二つがコラボ!なんというかその興奮と感動は忘れないけど、読んだ時に全身に鳥肌が立ったあの感覚とか雑誌の紙の手ざわりとかを忘れたくなかったので、早めに書かなきゃ!と思って書きました。

私はこのドラマが日本でリメイクされる可能性はほぼないと思っているのですが、いつかそんな奇跡が起こるとしたら、絶対に高橋一生には出て欲しい。

 

 ドラマ見たことない人にはなんのこっちゃなエントリー、最後まで読んでいただきありがとうございます。

では。週末お時間あったらぜひチラッとでも見てみてください!

私はこれから飲みに行きます!