“THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY - リミット・オブ・スリーピング ビューティ” レビュー

この度、「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY」(リミスリ)の舞台挨拶付完成披露上映会に行くことができました。

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女神のようなお友達のおかげで、こんな素敵な機会を与えてもらい、本当に、本当に本当に本当に感謝しかないです。70席に3715人の応募があったとのことで、自分の運の良さに怖くなるぐらいでした(正規ルートで購入されたチケットです、営利目的の転売は断固反対です)。

 

舞台挨拶がある、そして映画も一般公開より一足先にみられるということでもう盆と正月が一緒に来た状態なわけで、ちょっとその2つを一緒に書くとそれこそ私の頭の中が現実と非現実でごっちゃになりそうなので、まずは作品について書きたいと思います。どんなに素晴らしい作品だったとしても時間がたつとどんどんと見たその時の生な感情が消えてしまいそうなので・・・。逆に舞台挨拶に関しては冷静になって書かないとやばいことになる気がしてます。

 

↓公式ページ

sleepingbeauty-movie.com

 

 

作品について

「観てない人には『観て』としか言えない。観た人とは感想をひたすら語り合いたい」

 

というのが一番の感想。

これじゃ作品について伝えたことにならないのはわかってる笑

とりあえず私は観終わった後、同行者と2人揃ってちょっと持っていかれすぎておかしくなっており、1時間半ほど寒い中外で突っ立ってました。私は作品に脳みそを持っていかれ、同行者は高橋一生に持っていかれ・・・笑

 

うーん、この映画ね、ネタバレとか具体的なシーンとかセリフをまったく書かずに感想を述べるのが難しいんですよ。本当に難しい。公式サイトでのストーリーは

 

主人公・オリアアキは、29歳の売れない女優。女優を夢見て上京し、ふと立ち寄ったバーでサーカス団を営むカイトに出会う。それから10年、毎日小さなサーカス団でマジシャンの助手をするアキ。30歳を目前にしたアキには仕事への熱も生きる目標もない。ルーチンワークのように繰り返されるのは、催眠術にかかるという演技。体を浮かされ、剣を刺され、催眠状態を演じているうちに、やがてアキの精神は徐々に摩耗し、いつしか現実と妄想の境界が破たんを迎えようとしていた。何故生きるのか? 何を夢見たのか? 何を目指すのか? 唯一アキの中で美しい思い出として残るのは恋人・カイトとの時間・・・。自分が生きてきた人生の軌跡、アキが生きる現実と、叶えられなかった様々な妄想が入り乱れる。そして2つの世界の境界が壊れようとしたとき、アキの人生再生がはじまる・・・?!

 

となってるのだけど、現実と妄想、過去と現在が入り乱れるっていう通り、本当に入り乱れすぎて!!!普通の映画の起承転結とは違いすぎるんだよ。起承転結はあるんだけど、起承転転転起承転転起承承転承結、みたいな・・・。現実と妄想が入り乱れるのも、過去と現在が入り乱れるのも映画としてはそこそこ見る手法だと思うのだけど、現実妄想過去現在をすべてごっちゃこちゃにミキサーかけてその上シェイカーでさらにシェイクして「はいよ!」って目の前に出されたカクテルを一気飲みするような映画だった(絶賛してる)。今見ているシーンは現実妄想過去現在のどれなんだ?って考えることを途中で放棄しましたよ私は。これ、公式サイトに説明がありましたが、スポットライト理論というらしい。

 

「スポットライト理論とは、『時間は流れておらず、過去も現在も未来もすべて同じ空間の中で同時に存在している』という考え方です。アキは自分を取り戻す旅の中で、様々な時間を何度も自由に行き来します。まさにスポットライト理論を理解し、その中で自分の意識を操っています。そんなアキの物語を視覚的に描くために、時系列の錯乱をシームレスに見せたり、観る者の体感時間の感覚を揺るがす構成・演出の工夫を重ねました。目指したのは『一回の瞬き』の中で膨張した脳内宇宙の物語です」

 

監督が目指した通り、一人の人間の喜怒哀楽の感情のジェットコースターに乗ってるような映画。観終わった後ぐったり。だってジェットコースターって普通数分だからね。この映画1時間半あるからね!!!

観ていると、うわーーーーー!こんなシーンでこんな表現をしてくれるんだ、好き好き好き!!!ってなるシーンがあり、あああ自分が現実世界で感じるのと同じ感覚をそのまま切り取られた感じだと心臓にぐっさりナイフを刺される感覚に陥るシーンがあり、アキとカイトの鳥肌が立つぐらい生々しく美しいシーンもある。どこかで見たことあるようなシーンが全くないとは言わないし、ものすごい潤沢な予算がある映画ではないのがわかるシーンはあったし、手放しに100%ほんとに全部どのシーンも余さず大好き!!!とは言わない。ああ、男の監督が作った作品だなこれは女の人はしないよーというシーンもあったのけど(映画の具体的なシーンに関しては公開されてること以外一切言いたくないので監督に直接一言言いたい笑)、でも無駄なシーンは一つもなくて、すべてのシーンを全部突っ込んで一つの作品にしたときにこんなものができるとは・・・。「監督の頭の中をポンッと作品にしたような映画」みたいなことを高橋一生が舞台挨拶で言ってましたが本当にそうなんだと思う。老若男女が見ることを考えて作られるみんなが好きになれる大手映画会社配給の作品、という感じはゼロ(絶賛してる)!ただ、予告でも主人公が言っている生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」っていう気持ちになったことがある人が見たらドはまりするね。そんな気持ちになる人なんてそうそういないでしょ?って言われるかもしれませんが「生きる死ぬ」は言いすぎにしても、ありません?「あーーもう全部いやだいやだいやだやり直したい―!」って思うこと。「生きるべきか死ぬべきか」、って「進むべきか辞めるべきか」と考えると比較的多くの人に当てはまると思うんですよ。「進む(=“生きる”)」が必ずしもポジティブかつ正しいとも限らない。「辞める(=“死ぬ”)」方が楽なこともたくさんあるし最善の選択なことも現実世界にはいっぱいある。じゃあその選択は誰がする?あなたの人生は誰のもの?っていうのが監督が観客に提示したかったことなのかなあと思った。あなたは自分の人生のハンドルを握ってるの?握ってるつもりで誰かに握らせてないかい?って全編監督が問いかけて来ている気がしてた。喉元にナイフを突きつけながらね!

劇中、自分に言われてるのかな?って思うような心に突き刺さるセリフもたくさん出てきました。書けないけど。すっごく書きたいけど書かないけど。

 

私は(たぶん)多くの人と一緒で、大好きな高橋一生が出ているということでこの映画の存在を知ったレベルでした。

 

だから、正直、わたしこの映画そのものには観る前全く期待していなかったんです。

なんというか予告編を観た時に、MVみたいに映像美をひたすら追求する系の若手監督の(言葉は悪いけど)自己満映画なんだろうな、と思ってしまったんですよ。

 

本当に本当に本当に期待を裏切られました。

自分でも一番びっくりしたのは、映画を観ながら気付くと泣いていたことです。しかもぜんぜん泣くところじゃないと思われるようなシーンで・・・(高橋一生もまるで関係ないシーン)。

なんというか本当に揺さぶられました。

もう一度言うけどずっと喉元にナイフを突きつけられてる感じでした。

 

ねえ、二宮健監督さぁ、こんな映画作れるって、本当に25歳なの?年齢詐称してない??笑 (サインも写真も快く応じてくださったのにひどい)

私はこの映画はハリウッドリメイクされるんじゃないかなって思ってます。なんていうか、とてもいい意味で日本映画ぽくなかった。なんでなんだろうかわからないけど。

いつか遠くない未来にそんな日が来るのがちょっと楽しみ。

 

 

出演者について(メイン)

高橋一生(カイト)

私はこの映画を観終わった後、純粋にこの人が怖くなりました。怖くなって寒気がして、家に帰って温かいお風呂に入ってやっと自分の体温を感じられたぐらいに。

スクリーンに映る物理的な人物は確かにみんなが知っている高橋一生なのに高橋一生じゃないんですよ。

お芝居がうまい、とかでは到底片づけられないんですよこの人。

よくインタビューなどで、「役作りはしない」「誰かに『なる』のではなくて自分の中にあるものを出す」「その場所に行ってお芝居をするだけ」などと言っていますよね。この方。

それを踏まえたうえでこの映画を観て感じたのは、『高橋一生』は『箱』なのかな、『高橋一生』という人は存在しないんじゃないかな?ってこと。それぐらい『カイト』でした。

それこそ映画の中で象徴的な小道具として使われていたCDじゃないですけど、『高橋一生』はCDプレイヤーであって、そこに入れるCDが『役』なのかな?って。ここに関しては長くなるからまたいつか・・・。

カイト役が高橋一生でなかったら、ほかのすべての条件(監督・配役etc)が一緒だとしても、まるで違う映画になっただろうな、と思いました。

あと、彼がこの役を引き受けたことでこの映画が多くの人の注目を集めていることは事実だと思うので(わたしもその一人ですし)、本当にカイトが高橋一生でよかったと思います。

 

桜井ユキ(オリアアキ)

はじめて観る女優さんでした。

正直予告を観た時は「演技が私のタイプではないなあ」と思ったんですよ。なんていうか「演技をしている」感じがする人だなあ。と。

ただ、本編を見たら、それも計算というかお芝居だったんだな、と思いました。彼女は本当にこの映画出ずっぱりで、イコール現実妄想過去現在すべてを彼女が表現するんですよ。年齢で言ったら17~29歳。さらにはもう一度言いますがそのすべてがごちゃまぜなんですよこの映画。観ている観客もいまどこにいるのか何をしてるのかオリアアキが誰なのかわからなくなるのに、オリアアキ本人はますますわからないですよね。おかしくなる前とおかしくなる後・過去と現在・妄想と現実、みたいなもの(ごちゃまぜでわけわかんなくなってるんだだけど)が同時に存在するオリアアキの世界に、桜井ユキさんが観客をきちんと連れて行ってくれていたなあ、と思いました。

 

古畑新之(ブッチ)

予告にも登場するピエロです。

いや~この人うっまい!もちろんメイクに助けられてる部分ってすごくあると思うんですけど、私てっきり誰か経験豊かな俳優さんがやってると思ったらまだ若いし芸歴が長いわけでもないし・・・で本当にびっくりでした。

私は彼が出ているシーン、ほかに登場人物が映っていても彼から目が離せませんでした。

 

成田 凌(バーテン)

コードブルーのフェロー役の後最初に見たのがこの役なので、おおおってなりました。

何というか現実と妄想の門番っぽいイメージというか、出演シーンも多くないしセリフも少ないけどなくてはならない清涼剤でした(いや、役は決して清涼剤ではないけど)。

私この方のことコードブルーで知った感じなのでほかの作品知らないのですけど、観てみたいです。

 

満島真之介(チャーリー)

癒し!最高!

舞台挨拶のことは別途書くつもりなんですけど(HP回復したら)、舞台挨拶でも場の空気を明るいものに一瞬で変えるあの才能(及び顔力)が映画の中でも存分に活かされてました。

いいですね。ほんとはもっといろいろ書きたいけど、とにかくもう一番言いたいのは癒しだった!ファンタスティック!

 

 

音楽について

公式サイトに4曲載っているのですが、どれもいいです。

ツイッタ-で教えてもらっていたので映画を観る前日にすべてダウンロードしてあって、映画の前はいい曲だな~って聴いてたんですよ。普通に。聴けてたんですよ。映画の後も昨晩は聴いてたのですが、今日になって聴いているとあの世界に戻ってしまって何にもできなくなることに気づいていったん止めてます笑

 

どれもいいのですが一曲お勧めするとしたら間違いなく主題歌のKyla La Grande “Hummingbird”です(そりゃそうだ主題歌だもん)

 


Kyla La Grange - Hummingbird 360° Music Video

 

映画を観る前から歌詞を聞いてて、この曲はこの映画のために作ったんじゃないの?となるぐらいにオリアアキの心情が描かれた歌だなと思ったのですが、映画を観たらもっとそう思います。

ドヤ顔で書きましたが公式サイトにも“見事にアキの気持ちを代弁している”とあります。

 

サビもよいのですが出だしから持ってかれました。

こういうのって歌詞書いちゃいけないのかな?全部書いたら怒られそうだから出だしだけ(ダメって言われたら消します)。

 

Oh baby I’m a light left on

Still waiting for the moment

Burn steady and the fuse is gone

Hang heavy, and I’ve blown it

 

ねえ、私ってつけっぱなしの電気みたい

ずっとあなたが帰ってくるのを待ってるの

待ちくたびれて壊れちゃった

(すべてが)重くのしかかってきて、全部台無しにしちゃった

 

みたいな(注:スーパー意訳)。アキじゃん・・・ってなりました。映画を観る前にとりあえずYoutubeで聴いてみることをお勧めします。

 

 

 

さて。脳みそが満身創痍の状態でここまで書いたので、まとまりもないし言いたいことを全部言えてるかもわからないけど(ネタバレできないし!)。

後はみんなが映画を観た後に感想を言い合うのを楽しみにとっておきます。

 

 

 

最後に。

高橋一生ファンでこの映画を見に行く方。

間違いなくやられます。

この映画はR15ですが、

予告編はR15にはなっていません!!!

車に乗るときは必ずシートベルトをするように、きちんと心のシートベルトをしてから観に行ってください。

映画の後は何もできないと思いますのでご飯は外で済ませ、家に帰ったら寝るだけでいいようにきちんとお部屋を掃除しベッドを作ってから、劇場に向かってください。

 

以上、#リミスリ レポートでした。