『ちょうどいいブス』という概念を押し付けられる私たち
(人物名敬称略させていただいております)
山崎ケイの『ちょうどいいブスのススメ』が2019年1月期にドラマ化とのことですね。
主演が夏菜なので「ブスじゃないじゃん!」って方向に騒がしくなってるのもありますが、私がこのドラマ化を聞いた時に最初に思ったのは
おいおい日本のキー局は『ちょうどいいブス』コンセプトを女に押し付けるんか!
でした(文字サイズと文字色は私の心の現れです)。
(ちょっとそれますけど夏菜さんが主演であることに関して言えば、「美人でしかない夏菜が自分をブスに見せるのが女優であって美人でしかない夏菜が美人にしか見えなかったらそれは夏菜の力不足だ」と思っております。シャーリズ・セロンの「モンスター」を見てくれ。)
ツイッターでも言いましたけど、私、山崎ケイさんかなり好きで飲みに行ったらめちゃくちゃ仲良くなれそうな予感しかないんだけど、それはあくまでも
”山崎ケイという頭のいい女性がモテようとして自分をマーケティングした結果『ちょうどいいブス』という絶妙なブルーオーシャンを見つけたからそこにはまるために自分を磨いて自分のアイデンティティとして誇りを持ってお笑い芸人をやっている(現実世界でも芸人としての売りとしても)”
から面白いんであって、ドラマ化反対っていうわけではなく、その山崎ケイの『ちょうどいいブス』をドラマ化するって時に『ちょうどいいブス』というキャッチーなフレーズ部分のみをテンプレ化して不特定多数の女性にあてはめようとしているように見えてしまうから「え????」ってなってしまってるのが現状なんですよね。
だって、公式サイトに
女性としての「生き方指南・共感ラブコメディー」をお届けします…ってあるんだよ…。生き方指南…。
絶対男性主導で企画進んでるんだろうな、と思って公式サイト見たら、チーフプロデューサーは当然男性、プロデューサーも4人中3人が男性で唯一の女性は1番下。監督も男性。脚本は女性。
見える…見えるよ、女性も参加してるんだから女性の意見も取り入れて作られたドラマだよ!ちゃんと原作は女性だし脚本も女性だぜ!という思考が透けて見える。あくまでもすべて私の想像というか推測なので本当は違うかもしれない。
でも、山崎ケイが自分のアイデンティティとして「私はこうなんだ」、っていってやるから『ちょうどいいブス』は賛同を得て本を出すまでになったのであって、自分が『ちょうどいいブス』になる『生き方指南』受けたいですか?
私は受けたくない。
自分がプロデューサーだったら、世の中に『ちょうどいいブス』って自分たちが思えるように女性に生き方指南してやろうぜ!ドラマ作ろうぜ!ってなる?
私はならない。
山崎ケイの本を読んで彼女の考え方を知りたいとは思うけどさ(彼女がオリジナルでたどり着いたその思考経路は面白いと思うから)。
今回の『ちょうどいいブス』は山崎ケイが生み出したコンセプトではあるし、そのマーケティングができて『ちょうどいいブス』というキャッチーなフレーズを生み出した山崎ケイは本当に頭がいい女性だと思う。彼女がそのコンセプトで生きていくのはあっぱれ!って思う。
ただ、本は読んだことないんですけどテレビやネットで彼女の発言や行動を見ていると、彼女は『ちょうどいいブス』だから成功したわけでも人気があるわけでもないよね。観察する限りとても気遣いのできて人のほしいものを見抜く力がある頭のいい女性だから、成功したし人気があるんだと思うんですよね。原作本読んでないからそっちはモテテクのオンパレードなのかもしれないのですが。
だから、『ちょうどいいブス』という言葉だけが今話題になって独り歩きしている感じがあるけど(自分もこの言葉に黙っていられなくてこのエントリー書いてるわけだけど)、ドラマが始まったらすごく素敵なドラマになるかもしれない。そこはまだ未知数だと思ってます。
まあ、少なくとも1話目は見よう、って思ったから番組マーケティング的には大成功だよね笑(面白くなかったらバッサリやめるけど)
素敵なドラマになることを願っております。
そしていつか本当に山崎ケイさんと飲んでみたい。