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"グレイテスト・ショーマン"

"ただいま絶賛公開中の「グレイテスト・ショーマン(The Greatest Showman)」を観てきました。

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www.foxmovies-jp.com

レ・ミゼラブル」でも華麗な歌声を披露したヒュー・ジャックマンの主演で、「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。劇中で歌われるミュージカルナンバーを、「ラ・ラ・ランド」も手がけたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した。貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。主人公P・T・バーナムことフィニアス・テイラー・バーナムをジャックマンが演じ、バーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライル役を「ハイスクール・ミュージカル」「ヘアスプレー」のザック・エフロン、バーナムの妻チャリティを「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のミシェル・ウィリアムズが演じる。

グレイテスト・ショーマン : 作品情報 - 映画.com

よりあらすじ引用。

 

(ちなみにまったくの余談もいいところなんですけど、邦題を付けるときに冠詞を取ってしまうのなんでなんですかね、日本の配給会社。”Greatest”=最高のような最上級の形容詞には必ず”the”がつくんですよなぜなら最上級は一つだから。”The” という単語の用法はいくつかありますがこの場合は「唯一無二の」ものに使われるパターンな訳です。で、”greatest”って1つしかないはずなので”the”がつかない”greatest”ってのは存在しないんですよ。ちょっと神経質なところがあるのでこういうの気になってしまってポスター等を見るたびにむずむずしてます)

 

話を映画に戻して…、私、初めてこの映画の予告を映画館で見た時にその画面の美しさと音楽の素晴らしさ、そしてその2つが合わさって起こるほんとーーーに美しい化学反応を1〜2分のなかで見せられて、涙が流れたんですよ。予告だけで!!泣いたんじゃなくて、つつつーって涙が流れたんです。自分で言うのもなんですがそりゃあうつくしい涙ですよねー。感動して自然に流れる涙!!

 

www.youtube.com

 

だから公開はほんとに楽しみにしてまして、観たのは公開直後でした。が、ちょっと筆が進まないというかどんな風に感想を書こうかな…、と悩んでるうちに今日になってしまいました。このまま書くのやめようかな、って思ったんですけど、アカデミー賞授賞式の録画を見てノミネートしていた「THIS IS ME」のパフォーマンスを見ていたらですね、やっぱりこの映画いいな、すごかったなって思いまして…。
この映画、五感から入る情報が一気に脳にスペースを作るんですよ。自分でも知らないうちに。それでふとした時に音楽と映像がぶわ!っと頭の中にいっぱいに広がるんですよ。その時の幸せというか喜びがすごいんですね。なんていうか、気付いたら好きになっていたクラスの目立たない男子、みたいな。一回気づいちゃったら頭から離れない、みたいな。それってすごいですよね?

 

ところで、本当に好きなものってその理由が説明できないことって多くないですか?駄目男を好きになった時にどんなに友達に怒られようが諭されようが好きなものは好きなんだもん!ってなりますよね?何がそんなにいいのよあんなゲス男!って言われてもだってなんでかなんてわからないけど好きなんだもん!ってなりますよね?私、ほんと映画大好きなんですよ。だけど、映画に関しては駄目男と違って、なんでこんなに好きなのかは少しはわかっていて、

 

映画って、本当に多くの芸術と技術を一度に感じられるアートだから。

 

なのかな、と。他にこんなにお得なアートってあります?笑 映画はまずその物語というか元となる作品がなければ始まらないですが、そもそもの作品だけではなくそれを映画という新しい形に作り上げる脚本というものがなければいけないですよね。また映画は映像という形に集約されるアートなわけですが、その映像は美術担当が作ったセットや選ばれたロケーション、物語の語り手になる俳優女優の演技、その俳優女優を彩る衣装ヘアメイクがなければ作れないし、影技がなければ素晴らしい映像は撮れないですよね。もしかしたら特殊視覚効果技術も必要かもしれない。そして、映画を彩るものの中で何よりも大切なスパイスとして音楽もあります。作られた映像、音楽をもっとも美しい形に整えるためには編集は欠かせません。それを一つにまとめ上げて最高の状態に作り上げるのが監督ですよね。

いやもうなんかいろいろ言いすぎててよくわかんねーよ、ってなってらっしゃるかも知れませんが、これってすごいことですよね?物語というのは人の頭の中で作れるものですから文字ができる前からあったかもしれない。石器時代とかもっと古い時代でも壁に絵を描いているし、音楽だって、打楽器なんてものはかなり古い時代からあったわけですよね。だけどそれを全部合わせて監督の脳みその中にあるものを作り上げてみんなにシェアするんですよ?映像と音楽で!映画ってもう現代技術の結晶なわけですよ。

なんでこんなことを回りくどくごちゃごちゃと言ったかというとですね、この映画を観た時に、THIS IS MEではなくてTHIS IS エンターテイメント映画!って思ったからなんです(あーつまんないね、でも言いたかったの、すいません)。この映画は右脳だけで見られるんですよ。もうフルパッケージ揃ってるの。監督が頭の中に描いているであろう美しい映像と音楽とそれによっておこる素晴らしい化学反応にただただ浸ればいいんですよ。何にも考えずにドボン!と映画の世界に飛び落ちればいいんです。自分の人生について考えたくなるような難しい物語もないし、わからないと楽しめないような時代背景とかもないし、ストーリーもものすごく簡単。主人公P・T・バーナムがグレイテストショーマンと呼ばれるようになるまでの半生を描いている、っていうことだけわかってればいい(っていうかそんなの見てればわかる)。

正直、あと10分足して主人公が起こす行動の理由づけというかモチベーションみたいなものを描いてくれたらもっと物語の深みは出たのかなあ、と思わなくはないのです。より深く物語に入り込むために。なんでかっていうと個人的に主人公の行動の理由づけが見えなくて浅い人間に見えてしまう部分が数回あったから。そこの部分がなんとなく自分的に消化できなくてこのエントリー書けなかったんです。人様が作った素晴らしい作品にマイナスなことを言うのにとても抵抗があったので。でも総合的に見たらね、ほーんとすごい。もう映像がとにかく完成度が高すぎて、物語の世界にストンと入れる素晴らしい芸術の世界!

 

とりあえず絶対映画館で観たほうがいいです。できれば音響設備の整った劇場で。

 

個人的にはアカデミー賞にノミネートされた(そして私が上でおやじギャグにしてしまった)「THIS IS ME」という曲よりも(いやこの曲も泣いちゃうぐらいいい歌ですが)、映画のオープニングの「The Greatest Show」という曲の方が好きです。映像とのマリア―ジュがやべえっす。最初からがっつり映画に引き込まれます。あとね、女性諸君はとりあえずこのオープニングでヒュージャックマンに抱かれてる気分になればいいと思うよ。めっちゃかっこいいから。

 

映画っていいよね。って明るくなれる上にヒュー様を堪能できる映画でした!